投稿日:2013.12.04
寒くなり、当院でも「腰が痛くなった…」「最近は調子が良かったのに、また腰痛が出てきた…」などと言う声を聞くようになりました。一口に腰痛と言っても、原因は様々ですし、以前紹介した椎間板ヘルニア(※参考)のようなものから、筋肉の疲労から発生するものまでさまざまです。ご自身の腰痛が、いったい何が原因で起こっているのかを知ることは今後の治療や予防に役立つと思います。
そこで、今回は腰痛の中でも比較的多い「腰椎分離症・すべり症」について紹介いたします。
※以前の記事はコチラ→【椎間板ヘルニア】
●腰椎分離症とは
腰椎には椎間板のついている前方部分(椎体)と、後方の椎間関節のある部分(椎弓)があります。この椎体と椎弓の間を椎弓根と呼びます。腰椎分離症ではこの椎弓根の部分で前後の連続性が絶たれ椎体と椎弓が離れてしまいます。
●すべり症とは
脊椎同士がずれた状態のことを指しますが…
A、腰椎分離症によって後方の支持が失われた椎体が前方に落ちてしまうものを分離すべり症(図2左側)
B、分離は無いが椎間板の老化によって不安定となった腰椎が前方へ落ちてしまうものを変性すべり症(図2右側)
の2種類に大きく分けることが出来ます。
●症状
分離症やすべり症で最も多い症状は腰痛です。
分離すべり症の場合、腰痛を繰り返したり慢性的な腰痛や下肢痛が主な症状となります。分離すべり症の場合、ひどい場合でないと排尿や排便の障害はみられないようです。
変性すべり症の場合も腰痛や下肢痛が出現しますが、こちらは脊柱管自体が狭くなる場合が多く馬尾神経と呼ばれるたくさんの神経の集まる場所を圧迫され、歩行によって痛みが出現し少し休むと治まるような症状(間欠性跛行)や排尿・排便障害を伴う事もあります。
●原因
分離症の原因は先天的な物もありますが、この場合腰椎自体の形態異常を伴う場合が多く、ひどいすべり症になる場合も多いようです。後天性の場合、ほとんどはスポーツによる繰り返しの負荷による疲労骨折が原因となっているようです。スポーツをしていて繰り返しの腰痛に悩んでいるような方は、分離症を疑った方が良いかもしれませんね。
●治療法
基本的には腰痛の治療に準じます。ただし、分離症の急性期の場合は半年ほどコルセットの着用で分離部が癒合してくれることもあるので、早期の発見も重要です。
成人の場合は、コルセット等によって腰部の負荷を減らしたり、適度な運動やストレッチによって腰痛を予防することも重要です。
●予後
症状が軽度であれば、あまり心配せずに腰痛を予防していくことで重症化は防げるようです。ただし、下肢の痺れや痛みがある場合は手術適応の場合もありますので、早期から治療や症状の悪化を防いでいく必要があります。
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