投稿日:2016.06.06
◆産後の骨盤矯正
当院でもよく、産後の骨盤矯正についての質問を受けることがあります。質問の内容は…
【骨盤矯正をしないとどうなるのか?】
さて、骨盤矯正を行わないとどうなるのか…というお話ですが…。
まず、骨盤の歪みについて…
◆靭帯が歪みを正してくれる
前回述べたように産後の骨盤は、ホルモンの影響で緩んでいます。特に、骨盤では、仙腸関節・恥骨結合部で靭帯が緩み結合そのものが緩んでいる為に骨盤は不安定な状態です。しかしながら、この靭帯や恥骨結合の緩みも一時的なもので、本来ならば産後数日で『リラキシン』の分泌は止まり、次第に緩みはなくなり仙腸関節や恥骨結合も姙娠前の状態に戻ろうとしていきます。
※靭帯とは…【コラーゲンを含んだ線維の結合組織で…。】一言でいうと関節を補強するゴムのような組織です。引っ張られ続ければ次第に伸びていってしまうのですが、通常ならば弾性により関節を構成している骨と骨の繋がりの部分を正しい位置へと導いてくれます。本来であれば骨と骨の間にあるゴム(靭帯)が緩んだ骨盤の骨を元の位置へと戻そうとしてくれます。ですから、特に矯正などしなくても元に戻ってくれるはずなのです…。
◆自然な矯正を妨げる要素
悪姿勢…
産褥期の後陣痛等の痛みで良姿勢が保てず、不自然な姿勢になり骨盤に不自然な外力がかかっていると自然な矯正を妨げ てしまいます。
柔軟性の落ちた筋肉による骨の牽引…
骨盤に付着している筋肉が硬くなるとその筋肉の牽引によって骨盤は本来の位置とは違う方向へ引っ張られることがあります。
骨盤周りの筋力の低下…
姙娠前よりデスクワークや運動不足で骨盤を支える筋肉の力が落ちていることが多く『リラキシン』の作用で緩んだ骨盤 を自力で支えるのが難しくなていて、自然な矯正を妨げる上記の外力に抵抗できなくなっています。
さて、話が難しくなってきたので、簡単にまとめます。
本来は靭帯の力で何もしなくても緩んだ骨盤は元の位置へ戻ろうとしてくれる。
ところが実際は、骨盤の自然矯正を妨げる因子がたくさんあり、なかなか元へ戻ってくれない。
と、いう事になります。
産後の骨盤自体は、自然に元に戻ろうとしているのだから、骨盤を強制するよりも、骨盤の自然矯正を妨げている因子を排除していくことの方が大切なのです。
『リラキシン』の作用が持続していて、靭帯や筋肉が伸びてしまっている産後2か月くらいまでは、しっかりと固定帯を使い骨盤を守る。
そして…
産褥期の後陣痛等が治まってくれば、骨盤を支える筋肉を鍛えて骨盤や腹筋を引き締めていく。
※やはり骨盤を支える筋力が低下していれば、いくら矯正を行っても骨盤は不安定になってしまいます。
産後に定期的に骨盤矯正を行い、骨盤の歪みがでないように見守っていきたいところですが、いつ授乳時間がやってくるか分からず、慢性的な睡眠不足になっている状態では予定期的に施術を行うという事は限りなく不可能ではないでしょうか?
出来る限り施術は受けた方がいいとは思いますが、通院が難しい時や通院の間隔が不確定な場合は自宅での運動などが効果的です。それらを紹介しておきます。
骨盤を押し込む
①足は肩幅くらいに開いて立ちます
②両手は腰の少し下の骨の出っ張った部分に当てます
③左右交互に手を当てた部分を押し込みます
骨盤を回す
①足は肩幅くらいに開いて立ちます
②両手は腰の少し下の骨の出っ張った部分に当てます
③両手で骨盤を押さえながらフラフープのように腰を左右両方向から回します
※この時に頭の位置が出来るだけ動かないように気をつけましょう
他にも多くの骨盤体操があります。ご自身の生活スタイルに合ったものを見つけて「コツコツ」続けられるようにしていきましょう!
(長岡天神駅徒歩2分) 各種保険取扱い(健康保険・交通事故自賠責・労災保険)
長岡京市開田3-1-24 ニューはつふね2階
075-874-2803
やすらぎ整骨院