投稿日:2014.09.05
『肘部管症候群』…名前だけ聞くとなんだか難しそうな名前ですね。簡単に言うと、肘で神経が圧迫されることで肘から先…特に指の小指側に痺れが出現するという病気です。
肘を硬いところにぶつけて指先が痺れる…といった経験を持っている方も多いと思います。これは尺骨神経という肘から指先(特に小指側)を支配している神経を強く打っていしまう事で一時的に痺れが走るという状態です。
この尺骨神経が長期にわたって圧迫されることで小指側の痺れが継続的に出現します。この痺れが『肘部管症候群』の初期症状となることが多いようです。
◆原因◆
肘部管症候群で圧迫される尺骨神経は肘関節付近で『肘部管』と呼ばれる骨や靭帯、筋肉(尺側手根屈筋)で囲まれたトンネルを通ります。肘関節や手首、指を慢性的に使いすぎると、骨には繰り返しの衝突が起こり骨棘という棘(トゲ)のような出っ張りが出来たり、繰り返しの摩擦によって靭帯が肥厚し大きくなったりして、この『肘部管』というトンネルを狭くしてしまいます。これにより尺骨の通り道が狭くなり圧迫が起こりやすくなります。
また、尺側手根屈筋は小指を曲げたり、手首を小指側に曲げる働きを持つ筋肉なのですが、この筋肉の使い過ぎや疲労の蓄積でもトンネルを狭くし、尺骨神経の圧迫の原因にもなります。
また、小児期の骨折による外反肘(肘を伸ばすと肘関節が過剰に親指側に曲がってしまう状態…いわゆる猿腕)でも尺骨神経が引っ張られる形になり症状が出現しやすくなります。
その他にも、慢性関節リウマチや『肘部管』の中に出来たガングリオンなども原因となります。
◆予防◆
・使い過ぎの予防と疲労を溜めこまない
やはり使い過ぎは禁物です。肘や手首、指をよく使う方はストレッチやマッサージなどでこまめな疲労回復を図りましょう。
◆特徴的な症状◆
・フローマン徴候
紙などを親指と人さし指で挟むと親指を内転(人差し指がわにくっつける)する力が弱い為、親指の第一関節が曲がってしまう。
・チネルサイン
すぐ下の図の肘付近の■部分を叩くと肘から先の小指側に電気が走るような痺れが出現します。
その他…下の図の■の部分に痺れがでたり■の部分に筋肉が痩せるといった症状が出現します。
◆治療法◆
軽度の症状の場合は、肘関節より先を安静にしたり、テーピングやサポーターで手首・肘関節の負担を軽減したり、マッサージやストレッチで保存的に症状の緩和を図ります。
重症例や筋肉の委縮が顕著に表れている例では、手術の適応となるケースもありますので、早期の治療が大切になります。
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