投稿日:2014.07.03
育児中の女性、一日中キーボードを叩いている方が手首や指の関節に痛みを訴えて来院されるケースが最 近増えてきています。
指や手首の関節をよく使う方の場合、まず思いつくのがこの『腱鞘炎』ではないかと思います。患者様か らの質問にも、「これは腱鞘炎ですか?」などの質問をよく受けることがあります。
さて、この『腱鞘炎』…名前は皆さんよくご存じの様ですが、どのような症状なのかという事までご存知 の方は少ないように思います。そこで今回はこの『腱鞘炎』についてのお話です。
◆腱鞘炎とは◆
『腱』を覆う『腱鞘』の炎症の事を言います。
しかしながら、分かる人には分かるけれども、こんな説明ではほとんどの人には分からないですよね。そこで、『腱』とは何か…『腱鞘』とは何か…。といったお話からさせて頂きます。
①筋肉の構造
筋肉は大きく分けると筋腹と呼ばれる大きく膨らんだ部分と両端の筋頭と筋尾に分けられます。
※筋肉の始まりの部分(心臓に近い方)を筋頭・終わりの部分を筋尾と呼びます。(図1
②腱とは
筋頭や筋尾と骨を繋ぐ図の中の白い部分で、筋腹の様に大きく伸び縮みをすることはありませんが、強 い力にも耐える事の出来る強い組織です。有名な腱のひとつに『アキレス腱』があります。
アキレス腱の様に体重等大きなストレスのかかる場所では太い腱に…。指先など緻密な作業をしなければ ならない部分では細く長い腱となるのも特徴と言えます。 (図1
③腱鞘とは
関節が動く際、筋肉は収縮することで骨を引っ張るのですが、その際に『腱』が浮き上がらないように腱 を覆っている組織があります。これが腱鞘です。 (図2 左側
※この腱鞘と腱のあいだには関節を動かす際に摩擦が起こります。この摩擦を繰り返すことで腱鞘に炎症が起こります。これが『腱鞘炎』です。そして、この腱鞘炎が起こっているケースの多くで腱鞘だけでなく腱の方にも炎症が発生しています。
◆腱鞘炎の原因◆
腱鞘炎の多くは同じ動作の繰り返しや同じ負荷の繰り返しで起こります。前者はパソコン作業や筆記の作業、よくハサミを使う美容師さんや理容師さん、楽器の演奏者の方などで多く見られます。
後者の場合は、育児中の女性の方に多く見られます。
◆腱鞘炎の症状◆
腱鞘炎のほとんどは手首や指の関節に発症します。関節や腱周囲の炎症・腫れにより関節運動時に痛みが出現します。
◆腱鞘炎の予防と治療◆
原因の多くは、使い過ぎにあるので安静にして患部の負担を軽減することで軽快したり予防できたりします。しかしながら患者様の多くは使わざるえない状況にある方が多く安静が難しいのが現状です。サポーターやテーピング等で患部の負担を軽減したり炎症の強い急性期には患部を冷やしたりすることで痛みの軽減させることは可能です。また、急性期を過ぎ、症状が慢性的になってしまっている例では、患部周辺を温めてあげることで関節の動きをスムーズにし、痛みを和らげることの出来る場合もあります。
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