やすらぎ整骨院

～急に痛みがひどくなったケース～
以前、このブログでも交通事故に多い「むち打ち損傷」についてはお話させていただいたことがありました。通常、交通事故で整骨院や接骨院に来院される方の多くは「むち打ち」や「打撲」それから骨折後の機能訓練が主症状になります。
これらは、しっかり治療していれば痛みは和らいで、関節の動きも良くなってくるはずです。しかし稀に突然痛みがひどくなり難治する場合もあるのです。

これは実際に私自身が担当したことのある患者さんのお話ですが…。
その方も交通事故に遭われ、その際の治療で通院されていました。治療の経過は通常の回復より少し遅い位でしたが、ある時期までは順調に回復していました。

ところがある日…その患者さんが顔を歪め脂汗をかきながら来院されたのです。その時の訴えは「寝ていると突然肩から腕が焼けるように痛くなり、触るだけでも痛い…」との事でした。自分一人では対処できなく先輩や他の先生と相談した結果、整形外科へ判断を仰ぐことになりました。

そして整形外科での診断結果は…

「カウザルギー」？？？
当時の私にとっては、初めて聞く病名でした。おそらく、周囲の人たちも…。

どんな病気かを簡単に説明すると…ケガが治らないどころか、痛みの範囲がひろがり、痛みも強くなる。場合によっては浮腫、皮膚血流の変化、発汗機能の異常、あるいは異常感覚もしくは痛覚過敏などを伴う…と言った病気です。交通事故のケガ以外でも起こる可能性があるのですが…

おそらく…これを読んだ人のほとんどが「？？？」という感想を持ったと思います。
通常、痛みや熱さ・冷たさなどの感覚は神経を通って身体の各部位から脳へ伝わります。そして初めて脳で痛い(熱い・冷たい)と感じます。
例えば、足を何かでぶつけたとします。ぶつけたことで足の痛覚(痛みを感じる器官)が興奮しその「興奮」が脳まで繋がっている神経を順番に伝わってゆき最後に脳に伝わることで痛みを感じるのです。

上は、ニューロン(神経細胞)の略図です。図の右側にある「シナプス」という部分が次のニューロンの樹状突起(左側)へ繋がります。そうして何本かのニューロンによって身体の各部位から脳の間を繋いでいます。(下 の図)

ニューロンが興奮すると、「シナプス」から次のニューロンへ興奮を伝えるための化学物質(神経伝達物質)が放出されます。その神経伝達物質が次のニューロンを興奮させるこで、ニューロンの興奮が脳へ伝わっていくのです。(青字の部分)

さて、話が随分それましたが「カウザルギー」やこれに似た「反射性交感神経部ジストロフィーではこの神経による痛みなどの伝達に異常をきたし、もともとの外傷で傷ついた部分が治ってきても痛みが治まらず痛みを伝えている神経だけが、勝手に痛みを脳へ伝え続けてしまう状態になってしまうようです。
※反射性交感神経部ジストロフィー：症状はカウザルギーとほぼ同様だが、最初のケガの際に大きな神経の損傷がない場合、こちらの病名で呼ばれるそうです。最近では、「複合性局所疼痛症候群」と呼ばれる事が多いようですが…。

こうなると…痛みの強さも尋常ではなくなり、治療期間も１年から～数年と長引いてし
まいます。さらに厄介なのは、これといった治療法がない…ということです。
多くの患者さんが、少しでも痛みを和らげる方法を探してたくさんの治療法を試みているようです。
整骨院での施術で痛みが少し和らぐこともあるようですが…人によって効果は様々です。また、触るだけでも痛い…といったケースになると整骨院での施術自体が無理な場合もあります。
そんな整骨院では手におえないような症状を今回紹介させていただいた理由は…
このカウザルギーや反射性ジストロフィーを発症させる原因の１つに、怪我への焦りや心的ストレスが関与していることもあるからです。

交通事故に遭われると、想像できないようなストレスを受けることになります。痛みだけでなく、被害
者・加害者間の関係や警察・保険会社への連絡等…。
交通事故のような特殊な治療に関しては、稀な事とはいえ、このような厄介な症状へ移行してしま
うケースもある為、特に慎重に治療を進める必要が出てきます。

　　　　　　　　　(長岡天神駅徒歩2分)　　　　　各種保険取扱い(健康保険・交通事故自賠責・労災保険)

　　　　　　　　　　　　　　　　やすらぎ整骨院　　　　　　　　　　お問合せ　075-874-2803　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　長岡京市開田3-1-24　ニューはつふね2階