投稿日:2015.05.20
温める方がいいのか…、それとも冷やす方がいいのか…。接骨院・整骨院で患者様より受ける質問の中でも最も多いのではないかと思います。基本的には、急性期や炎症がひどく患部に熱のある時は冷やした方が良いのですが…。詳細は、以前こちらのブログで紹介した『冷やした方がイイの? 温めた方がイイの?』を参考にして頂ければと思います。
今回は、温めるのか冷やすのかと同じくらい多い質問で、湿布の選び方についてのお話です。
■湿布薬の種類■
大きく分けて…
○冷湿布…貼っているとヒンヤリするタイプ
○温湿布…貼っているとポカポカするタイプ
○経皮鎮痛消炎テープ…鎮痛剤が配合されているタイプ
経皮鎮痛消炎テープは、痛みや炎症の強い患部に使用することが多く、見た目は肌色(茶色)で水分をほとんど含まない薄いテープ状の湿布です。年齢制限などもあり使用には注意が必要です。
冷湿布や温湿布は白色の水分を多く含んだ湿布薬で、ほとんどの方がもつ湿布のイメージの通りの見た目かと思います。
この冷湿布と温湿布の使い分けですが…
■冷湿布と温湿布の比較■
どちらにも炎症を抑制する成分(サリチル酸など)が含まれています。そして冷湿布と温湿布の大きな違いは…
冷湿布にはヒンヤリと感じさせるための成分(メントールなど)が多く含まれ、温湿布にはポカポカと感じさせるための成分(トウガラシエキスなど)が含まれています。そして、このポカポカ感じさせるための成分であるトウガラシエキスが患部の血行を促進して暖かく感じさせています。
要するに、暖かく感じさせる成分なのか、ヒンヤリ感じさせる成分なのかの違いですね。
■湿布の効果■
○経皮鎮痛消炎テープは鎮痛の成分が効果を発揮し、痛みそのものを抑えてくれます。
○冷湿布はサリチル酸などの炎症を抑える成分が患部の炎症を和らげてくれるとともに、メントールによるヒンヤリした状態を『気持ちいい』と感じることでも痛みを和らげてくれます。
○温湿布は炎症を和らげるメカニズムは冷湿布と同じですが、トウガラシエキスにより血行がよくなりポカポカすることで『気持ちいい』と感じることで痛みを和らげてくれます。
お気づきでしょうか?冷湿布も温湿布も痛みを和らげるためには『気持ちよさ』も重要なのです。
■冷湿布なのか?温湿布なのか?■
湿布の効果でもお話した通り、痛みより先に『気持ちいい』という感覚を脳に伝えてしまうことで痛みを和らげる効果を発揮します。ですから、基本的には…
貼って気持ちのいい方を選ぶのが望ましいと思います。
ただし…急性期(ケガをしてすぐ)は、炎症が強く血行をよくすると炎症が酷くなりやすい状態ですので、血行を促進することで温かい感じを得る温湿布は避けた方が良いと思います。また、入浴直前の貼布や肌の敏感な方には温湿布の成分はかぶれを起しやすいため、冷湿布を貼ることが望ましいと思います。かぶれのヒリヒリした不快感は痛みを増悪させることもありますので…
湿布の効能からすると、ケガをした直後や炎症がひどく患部に熱を持っている状態の急性期は冷湿布を使用し、炎症が治まってくれば温湿布に切り替える…のが本来の使い方なのかもしれませんが…
私個人の考えとしては、温湿布のトウガラシエキス成分でヒリヒリしたり、かぶれたりする人が多いため、基本的には冷湿布を使用し、急性期の冷やす必要がある際には氷嚢や冷水でのアイシング、慢性期の温めたい時期には入浴や携帯カイロなどで温めることをお勧めしています。
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